ナンバーガール@日比谷野音のライブのこと

昨晩はライジング組の皆様には大変申し訳ないのですが、ナンバーガール@日比谷野音。しかもBエリア1桁。幸運を相当使い込みました。

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とりあえず会場入ったら売店で酒を買って飲む。向井秀徳関連のライブにはシラフでは臨まないというのが私なりの礼儀です。
とはいうものの、実はナンバーガールのライブは過去に観たことがありません。彼らの全盛期は1999年から2002年ですが、私が結婚したのがちょうど1999年でして。その後だんだん適当になっていきますが、そこらへんいろいろ慎重になっていた時期なわけです。そういうことですよ。

そんな中でも音源はわさわさ買っておりまして、「何かとんでもねえのがいる」という話でインディーズの「SCHOOL GIRL BYE BYE」を買い求めて聴き、「こいつら頭おかしい」と思い、メジャーデビューするってんでそのシングル「透明少女」を聴いて「こんなイビツなまんまメジャーで出すのか」とビビり、その後音源を追って行くとイビツなまんま録音がよくなっていってそのキレキレが馬鹿みたいにわかりやすく聴こえてきて、かつ初期は一応「Aメロ→Bメロ→サビ」という一般的な体の曲だったのがどんどん解体されていってどんどん独特すぎる感じになっていき、結局そのままバンドごと解体して、そっちに向かった音楽的ベクトルでもってZAZEN BOYSの「MATSURI SESSION」に至る、という認識。

そういう、音源の流れだけ把握したまんまのライブなので、「これ初期と後期の曲混ぜたらあかんのとちゃうか」とか思いつつ向かったのですが、そこは大変に私が浅はかでした。今のフィルターに通った結果、1曲目「大あたりの季節」からラスト「トランポリン・ガール」までもうガキガキでパキパキ。敢えてどメジャーな曲を始まり終わりに置かないところも何となく彼ららしいとは思いますが、どの曲もキレキレなので、転調やブレイクがもうアホみたいに気持ちいい。恐ろしいレベルで快感原則に則ったプレイが続くもんですから、もう「だあ!」とか「うあー」くらいしか言葉が出ない。人を馬鹿にさせる音楽。

あと、ライブ観てようやくわかったのが、向井秀徳とひさ子さんのギターの役割分担。見られるもの見ても決してどっちかがリードでどっちかがリズムという分担ではないわけで、どうなってるんだろうというのが積年の疑問だったのですが、生で2時間観ておよそ理解できた。向井秀徳が「骨格と勢い」担当で、ひさ子さんが「表情」担当。だいたいそんな感じだと思う。だからもうひさ子さんのプレイを目で見るのもものすごく楽しくて。

そんな感じでもうあっという間の2時間。そもそも20年前にこういうバンドが存在して、メジャーで活動していたことが奇跡であり、それがまた活動を再開したことも奇跡であり。もう金儲けでも何でもいい。
一点思ったのは、2時間でもあんだけヤバかったのが、本来ライジングサンで復活初公演のはずだった60分のライブ。どういうセットリストを予定していたのか、考えるだけで震える。公開してほしい。割と本気で。