ザ・コインロッカーズの売り方のこと

秋元康氏が手掛けるガールズ・バンド・プロジェクトの「ザ・コインロッカーズ」が6月19日にデビューシングルをリリースしたわけですが。
正直、このプロジェクトは秋元康氏にとっての「実験」だと思っていたんですよ。さすがに今の世の中の流れでこれ以上「CDを積む」ことを前提にしたビジネスを継続していくのは難しく、そういう状況下で次にどこに進むべきか、そこを探るためのひとつの打ち手。

実際蓋を開けてみたら、確かに握手券は付いてないし、デビューと同時にストリーミングに曲は公開されているし(これはAKB坂道も最近は速攻で出ていますが)、今のところは無理くり既存メディアの番組の枠に入り込む形での出演もない。
楽曲は「ロックバンドだぜ」的な感じではないところにむしろ好感を持っているのですが、でも作曲家はタイトル曲はAKBの「Teacher Teacher」共作曲の人、カップリングも乃木坂46だったり日向坂46の曲を書いている人。要するにいつもと同じところに曲依頼を放り込んでコンペ中心で決めていく、AKB以降と全く変わらないやり方。
ドラマ主題歌のタイアップ付けるし、CDはカップリング違いの3種リリースだし、深夜帯にテレビの冠番組を始めるし、AKBや坂道みたいに組織的なものではないけど渋谷で購入者対象のハイタッチ会やってるし。

もう少しドラスティックに舵を切ってくると思っていただけに若干「あれ?」感はあるのですが、これまでがあまりにも「成功」の定型として盤石すぎたので、これくらいずらすだけでも大変なことというのもわからなくもない。
これから活動を続けていく中で異様なカリスマ性を発揮するのとか、めきめき上手くなって馬鹿テクになるのとか、オーディションの時と違う謎の楽器を操り出すのとか、あからさまに頭おかしいのとか、そういう図抜けたのが出てくると途端に面白くなってくるスタイルだとも思うので、もう少し観察していきます。

メンバー見てみると、だいたい可愛いんだけど、完全にキまった目をしてるのとか、リスカの跡あるやろみたいのがいい感じに混じっていて、とりあえずそういうのでミュージック・ステーション出てみるのもありかもしれません。いろんな意味で。