ミュージシャンがストリーミングに楽曲を解禁すること

こんな記事が出てきたこともありまして、それじゃあ主要ミュージシャンのストリーミングへの解禁っぷりを調べようかと思ったのですが、ちょっと検索したら2018年10月時点のけっこうなデータが落ちていたのでもうこれでいい。他の人がやっていることはやらない。
あと、2016年10月、Spotifyがサービスインした時のJ-POPがこんな感じ。名前の挙がっている中には、全曲上がっていないものもありますが、およそこんな感じ。

で、主要サービスが開始されて以降、追加の形で聴くことができるようになった主要なミュージシャンをつまんでみるとおよそ以下の通りです。

2017/10/01:DREAMS COME TRUE
2017/11/17:くるり
2017/11/17:斉藤和義
2017/11/17:サカナクション
2017/11/17:細野晴臣
2017/11/29:矢野顕子
2017/12/06:ユニコーン
2017/12/08:宇多田ヒカル
2017/12/22:福山雅治
2018/05/10:Mr.Children
2018/05/23:私立恵比寿中学
2018/05/27:椎名林檎
2018/06/09:ももいろクローバーZ
2018/09/01:井上陽水
2018/09/07:ポルノグラフィティ
2018/09/22:miwa
2018/09/24:松任谷由実
2018/10/31:筋肉少女帯
2018/11/14:高橋優
2018/11/21:サニーデイ・サービス
2018/11/21:THE COLLECTORS
2018/12/05:コブクロ
2019/01/30:YUKI
2019/01/18:SEKAI NO OWARI
2019/02/12:back number
2019/03/01:COMPLEX
2019/04/01:THE BLUE HEARTS
2019/04/01:THA BLUE HERB
2019/04/17:BUCK-TICK
2019/04/24:カジヒデキ
2019/04/26:平井堅
2019/05/10:ゆず
2019/05/14:小田和正

正味の話、ストリーミングでしか音楽聴かないという層も増えてきて、そうなるとそのサービスに乗らないミュージシャンはつまり「この世に存在していない」と等しいということになります。
それでも、サザンとかB'zとかBUMP OF CHICKENとかaikoとか米津玄師とか、一切ストリーミングに楽曲提供していないミュージシャンも結構な割合でいらっしゃるわけです。
この「解禁」という作業、でもこれ相当な計算の上で判断しているのではないかと思います。
具体的に言えば、過去旧譜の新譜CDのオーダー数とストリーミングで得られるであろう収入とのバランス。

例えば、米津玄師とか星野源とかは今でも勢いありますしメディア展開も多いので、今後も大量の新規ファンの流入が期待できます。のであれば単価が高いCDをメインにした方がずっといい。星野源がdヒッツにだけストリーミング出しているのは、まあdocomoのCMとかいろいろ利害あるわけで、そっちの方がプラスだから。

音楽業界のサブスクリプション型の収入モデルはこれらストリーミングサービス以前から、「カラオケ」が既にあります。恐らくそこらへんの値も比較検討の材料になるでしょう。そしてCD旧譜の今後見込まれるオーダー数以上にサブスクリプションでの収入の方が大きいであろうと判断できれば、当然そっち行きます。

もちろん、たとえばB'zは「アルバム」という形態に並々ならぬこだわりを持っていますし、山下達郎はストリーミングの音質に納得するはずもなく、そういう理由でストリーミングに向かわない方々はいても、それ以外は相当な計算の上ではあっても、理由としては収益上の比較的シンプルなところにあるのではないのかな、と思ったりもするのです。

一方、最近これまでが嘘のようにネットのサービスを充実させているジャニーズ事務所、先日会社の飲み会でジャニオタ女子と話をした際には「あのジャニーズがネット通販始めたんですよ!」という歓喜の声も聞きました。
が、そこはジャニーズ、譲れないところは譲れない。こんな恐ろしいサービス開始です。

関ジャニ∞全シングル・アルバムがアプリ対応へ

最近CD買うとその楽曲がスマホでも聴ける、「プレイパス」というあまり頭が良くなさげなサービスがありますが、このジャニーズのサービスはそんな生半可なものじゃない。改めてコードを付けることで過去の旧譜すらCDの購入を改めて促そうという、ジャニーズ事務所本来の思想があからさまに具現化されたブツです。画期的かどうかは知りませんが、「業界でも類を見ない」ことは間違いありません。ただ、こういう形にするためにそれなりの投資をしてのこれ。
このジャニーズのブレなさ、体幹の強さを感じます。むしろすげえ。