レーベルがライブハウスを運営すること

この9月、渋谷に新しいライブハウスがオープンします。

Veats Shibuya

宇田川カフェがあった場所の地下ですね。まだ詳細は出ていないのでキャパとかわからないのですが、この箱ビクター・エンターテインメントの運営で。
これまでは「ビクターロック祭り」のタイトルで主催イベントは行ってきたのですが、遂に自前で箱を持つに至りました。

そして、池袋にも11月にライブスペースがオープンします。

harevutai

で、こっちはポニーキャニオンの運営です。

元々レーベルが大規模に自前の箱を持つのは、ライブハウスではないですが、エイベックスが仕掛けたナイトクラブ・ヴェルファーレが最初ではないかと思います。
ジュリアナ東京の仕掛け人だった折口雅博氏を担いで子会社を設立して1994年にオープンし、2006年に閉店しました。
エイベックスは現在もナイトクラブとして、SEL OCTAGON TOKYOを運営しています。

ライブハウスとしてはZeppは全部ソニー・ミュージック・エンターテインメントの子会社Zeppホールネットワークの運営です。
1997年の設立当初はソニーとエイベックスの合弁企業だったのですが、現在は100%ソニー・ミュージック・エンターテインメントの子会社。
Zeppは今後も羽田や横浜にもできる予定なので、けっこうな事業規模でございます。Zepp羽田でライブって、STUDIO COAST並みにキツいのでちょっと困るんですけど。

最近のこの手の動きはもう、盤が売れない今の時代にレーベルが生きていくための策であろうことは容易に想像が付きますが、エイベックスとソニーについては、まだ盤がアホほど売れていた時代からですので、これは盤の利益を事業の多角化に回した結果、それが今の時代そういう感じになっちゃった、ということでしょう。
エイベックスには、Coldcut等のUKの新しいダンスミュージックを日本に持ってきて、レンタルの流通に乗せて広く紹介したあたりから脈々と続くダンスミュージックへの矜持を感じたりしますし、エイベックスが「メジャー」レーベルになったのが1992年頃ですので、そもそも「レーベル」業に留まるつもりがハナからなかったのだとは思います。

ただ、エイベックスの場合、大規模なライブ施設は現状で持っておらずその代わりにフェス事業に手を出して今もa-nationやっていますが、2002年の初開催時は全国8か所とかいう規模でやってたのが徐々に減り、一時は海外展開も模索していたのですがそれもなくなり、自社レーベル所属で看板になり得るミュージシャンも年を追うにつれてどんどん動員的にもキツくなってきています。
今年は遂に東京公演がなくなります。これは単に場所の都合じゃないかとも思いますが、別の都合もあるかもしれません。

それでも、ビクターやポニーキャニオンはまだこういう展開を行うだけの投資余力があるわけで、それもできないそれ以下の一部「メジャー」レーベルは果たして今後どうなってしまうのか。
いよいよもって心配になってまいりました。

あと、池袋のharevutaiなんですけど、1年半ほど前にこの場所にライブスペース作るという最初の報が出たときには「ニコファーレ池袋」という屋号が出ていたような気がするのですが、それどうなったんでしょうか。
その名前であれば当然ですがKADOKAWA+エイベックスのはずなんですが、いつの間にかこういうことになっていまして。
うん、だいたい想像は付く。