謎のメンバーがいるバンド・グループのこと

瀧のことについては書き始めるとただ感情に委ねてしまうことになるのでここでは書かないでおこうと思うのですが、電気グルーヴでの彼のパートは「瀧」であり、インスト曲も多く持つユニットなのに楽器は一切触らない、でも確固として正式メンバーであるという謎の存在なわけですが、古今東西探してみたらいくつかそういう「謎のメンバー」がいたので、そういうのを並べてお茶を濁そうと思います。

Happy Mondays/Black Grape
Bezという世界で一番有名な謎のメンバーを擁するバンド。パート名は「Vibes」または「Bez」。完全に東の瀧、西のBez状態ですが、西の方は東以上にドラッグまみれなことが世間に知られているにも関わらず作品の回収もなければ逮捕すらないので、やっぱり国っていろいろだなと思います。

Flowered Up
マンチェスター・ムーブメントに乗って一瞬ですがそこそこヒットした、歌ってるんだか呻いているだけなんだかよくわからんヴォーカルが特徴的なUKのバンド。正式メンバーではなく準メンバー扱いですが、フラワーロック的に花びらっぽい被り物を施されたうえで、踊ったりもしくはただステージ上を徘徊するだけのメンバーがいました。

米米クラブ
日本で瀧と双璧を成す存在といえばジェームス小野田。パートは「ボーカル」ですし、実際歌えば素晴らしいのですが、私が観たときの小野田さんはだいたい自転車乗っていたような気がします。

Hermann H.&The Pacemakers
このMVのような感じで、一応コーラスは入れますが他はだいたい暴れているだけの正式メンバー若井悠樹、担当パートは「ウルフ」。一度何かで観たことがありますが、その時はステージ上で竹刀を振り回していたと思います。現在再結成してぼちぼち活動中。再結成メンバーにはもちろんウルフもいます。

レシーバーズポンポンヘッド
先日紹介しましたが、ステージ下手側でひたすら踊っているというか煽っている正式メンバー、「長州 力(ちから)」という方で一応パートとしてはサンプラーなのですが、キュー出しをしたらあとはだいたいこんな感じだったようです。

人生
電気グルーヴの前身なわけであり、基本的に生演奏するバンド形態でもないので、ステージに立っている人間の多くが瀧状態だったこともあるのですが、それ以上に、ライブをやる時にはほぼ必ずステージ上に「木」がいました。木のコスプレをしてライブの最初から最後までただそこに立っているだけのパート。しかも初代「木」が脱退した後、二代目「木」が加入しましたので、彼ら的には大切なパートだったようです。多分。

絶対直球女子!プレイボールズ
ライブを「試合」、脱退を「退団」、研修生が正式メンバーになることを「育成選手を支配下登録する」と言う、大変に面倒臭い野球縛りの女子アイドルグループですが、メジャーデビューまでは「ボールボーイ」と呼ばれる男子2名が、当然正式メンバーではないのですが常にステージ上に帯同していました。歌うわけではないのですがとにかく煽って煽って場を作る。メジャーデビューに際して一旦はクビになったのですが、限定的に復活したりしているようです。

で、こういう謎のメンバー的な存在のはしりって誰だよって調べてみたのですが、確認できた限りそういう存在に一番近いのはザ・スパイダーズの井上順じゃないかと思うのです。
一応堺正章とのツイン・ヴォーカルではあるのですが、後から加入したメンバーの割には楽器を演奏するわけでもなく、堺正章がメインヴォーカルを取るバラード的な楽曲の時は素晴らしく棒立ち。
自身も自虐的に自分のパートを「セカンド・タンバリン」と言っていましたし。
いや、でも世界に他にいないよ、唯一無二だよ、セカンド・タンバリン。

あと、亡くなったけどスカパラのギムラとか、脱退したけどGacharic Spinのダンサー勢とかもこの枠に入れていいでしょうか。考えてみればパートは普通に割り当てられていても、ロクに弾かずに暴れていたシド・ヴィシャスだってこの枠かもしれません。
うん、まあこんな感じで。何か有名なの忘れているような気もしますが、いいや。

自分が一番最初に電気グルーヴを観たのは1991年の梅田アム・ホール。TMNとのカップリング・シングルのレコ発でした。フックアップしてくれた恩人のはずのTMNを、それはそれは凄い勢いでディスっていまして、心底「こいつら最低で最高だな」と思ったことを覚えています。
次に戻ってきたとしたらまたそういう「最低で最高」ができると思うので、是非それをお願いしたいと思っています。心の底から。

<追記>

  • Arrested Developmentのおじいちゃん
  • ファンキーモンキーベイビーズのDJケミカル
  • SOIL & "PIMP" SESSIONSの社長
  • 渋さ知らズやモダンチョキチョキズ、海外だとThe Polyphonic Spreeあたりは「メンバー」の概念そのものが他のバンド・グループと違いますね。

<再追記>

  • The Stone Rosesのスタッフだけどステージで踊っていたCressa
  • Frankie Goes To HollywoodのPaul Rutherford
  • Secret Goldfishの近藤進太郎
  • Have a Nice Day!の内藤さん
  • POLYSICSのPOLY-2

気志團の早乙女光もそれっぽいけど、入れるとまた解釈が拡大しそうな気がする。どういう解釈やって言われたら言葉で説明しにくいですけど。

<再々追記>

  • 猛毒の東野A心。パート名は悪徳マネージャー

元Style CouncilのMick Talbotも参加したアシッドジャズ系のバンドGallianoのMichael Snaichが、口上で呼び出されて結局うろうろするだけという、「歌いもしないジェームス小野田」状態で最高です。

いやあ、知見が集まると楽しいですね。これ集めたところで何の役にも立たないところ含めて。

<再々々追記>
(2)も作りました。