ザ・なつやすみバンド「映像」のこと

ザ・なつやすみバンド / 映像(Album)

「果てしなくポップだけどただ楽しいだけじゃない音楽をこさえる集団」として、自分の中ではふくろうずとかSpecial Favorite Musicと同じ棚に置いてあり、「好き!好き!」という感じではないものの結局音源が出るたびに速攻買い求めているバンドの4枚目。
ようやく彼女たちの本質が見えたような気がしました。

1作目で彼女たちのスタイルは既におよそ完成はされていますが、それでも今聴くとまだまだ模索している部分は多々ある。2作目3作目は言うてもメジャーに上がった故の責任ある音作りは指向している感じで、でもそれが彼女たちの本質かと言えば、インディーズに戻っての4作目である今作の方がよりプリミティブではないかと思うのです。

全編通してとてつもなく「ポップ」ではあるのだけど、曲の構成、コード進行、微妙なところでの多くのこだわりのために全くもってそのポップが「キャッチー」に繋がっていかない。これ他のバンドのどれに近いかといえばPrefab Sproutです。
ただ、Prefab Sproutの場合は、2ndから3rdアルバムで一時的に「キャッチー」まで踏み込み、それによって多くのファンを捕まえた上であの独特の「異常にポップだけど何か面倒臭い」世界に改めて突入したわけですので、彼女たちも一度どこかで馬鹿になってもいいんじゃないかとも思うのです。
とはいえ、Prefab Sproutはあの馬鹿さ加減も天の才ですので、無茶言うなという話ではあるのかもしれないのですが。