情報の流通とチャートの有り様の関係のこと

久しぶりにオリコンチャート見てみたら今週の週間チャートがいい感じにバラけていたので。
ざっくり分離すると、

01位:男性アイドル(ジャニーズ)
02位:男性アイドル(非ジャニーズ)
03位:K-POPグループ
04位:演歌
05位:女性シンガー
06位:女性アイドル(AKB・坂道系)
07位:女性アイドル(AKB・坂道系)
08位:女性声優
09位:アニソン
10位:女性アイドル(非AKB・坂道)
11位:男性アイドル(ジャニーズ)
12位:女性アイドル(非AKB・坂道系)
13位:バンド
14位:女性アイドル(非AKB・坂道系)
15位:男性シンガー
16位:女性シンガー
17位:男性アイドル(ジャニーズ)
18位:女性アイドル(AKB・坂道系)
19位:女性アイドル(非AKB・坂道系)
20位:女性声優

バラけてないだろという話もありますが、この週リリースされたシングルCDは全部でこんなもんですので、順当と言えば順当で。
バンドや演歌が入ることはもうレアというか、アイドル・アニソン声優系・演歌・K-POP以外はシングルを出すこと自体相当減ってきていて、去年一番世間的に認知の高い楽曲だったRADWIMPSもピコ太郎もCDシングルという形でのリリースはなく、かつて死ぬほどシングルを売っていたミスチルが過去5年で3枚とかB'zが過去5年で4枚とかスピッツが過去5年で2枚とか宇多田ヒカルはそもそも9年間シングルCD出してない。

オリコンチャートが始まった頃には初登場で1位はまだ珍しく、逆に一度1位になったら2か月3か月連続で1位みたいなことも珍しくない時代。要するに「ヒット曲」は月単位以上の尺度でもって見る必要があったわけです。シングルの発売日も概ね毎月1日とか21日とか曜日を気にする様子もなく。

購入者の多くが新曲に対して敏感になったのは恐らく70年代後半のアイドルブームの頃で、「ザ・ベストテン」以降その流れが顕著になります。そして「初登場1位」を定着させたのは「初登場1位でなければ意味がない」と言い放ったおニャン子クラブ。ここらへんで水曜日木曜日あたりにリリースを合わせる手法がメジャーになり、完全に「週」がヒットのサイクルになります。というか毎週のようにメンバーのソロシングルがリリースされますので、週単位で管理しないといかんかったわけですね。で、その管理は夕方の帯番組を持っていたからこそ可能であったわけで。

そして今。今週12位だった女性アイドルグループ 2o Love to Sweet Bulletですが、フラゲ日のデイリーチャートは1位であり、というか発売日も通常の水曜日ではなく1日前倒しの火曜日。完全にそれを目指して動いていた感もありますし、Twitterでもこんな感じで。1日の瞬間風速のために一定期間の活動をすべて賭けている状態。

要するに情報流通のスピードやファン層に対しての情報密度の変遷が今のヒット曲には大きくかかわっている、ということになります。
なので、最近のオリコン年間チャートを見て「知っているヒット曲がない」とか、シングルにまつわる状況が激変している中で、昔と単純比較して無邪気に批判してる場合じゃないのですよ、といういつもの話で終了。

ちなみに来月2年ぶりのシングル出すB'zさんですが、4曲収録で全曲タイアップという、昔ながらの方法でシングル連続1位記録を更新する気満々なのでむしろ何かほっこりします。