Journey@日本武道館のライブのこと

2月7日はJourney@日本武道館。
最近はベテランバンドが「アルバム再現ライブ」を行うパターンも目立ってきましたが、今回は彼らのキャリアの中でも図抜けたヒット作「Escape」「Frontiers」を2枚まとめて再現という、もう聞いただけでお得感満載な企画。
可処分所得の適正な配分の結果として、ガンズには行かないけどジャーニーには行くという形になりました。何も問題はない。

現在のジャーニー、あの異常な歌唱力を誇るVoのスティーブ・ペリーは脱退していて、代わりにフィリピン人のピネダさんがVo担当。YouTubeに「ジャーニー歌ってみた」的に動画をアップしたところ、それを見たニール・ショーンが速攻スカウトしに動いたというだけあって、もう馬鹿みたいな歌唱力。スティーブ・ペリーのあれを完全再現。かつ他のメンバーとは干支一回り分若いのでステージ・アクションもアグレッシブ、正直こっちの方がいいんじゃないかと思うくらいに。
ただやっぱりジャーニーはあの暑苦しい顔のおっさんが歌っているものであるということが絵も含めて刷り込まれていることには抗いようがなく、それを細身で顔も濃くないお兄ちゃんが歌っているのには違和感ありますが、だってしょうがないじゃない。

ライブはアルバム2枚分を「Escape」⇒「Frontiers」の順に曲順もアルバムまんまきっちり全曲やりきったところで本編終了。何て効率的。そしてこの時点でもう異常な満足感。アンコールは「お前らが好きなのやりきったからあとは好きにやらせてもらいますよ」と言わんばかりにインプロばりばりで、それでも随分気持ちよく。全体的に大変に素晴らしい。
結論としては産業ロック最高。

で、彼らをそう呼んだ社長はその後、フェス等でロックを産業化する手腕においては日本有数の人物となっているというのは大変に趣深い。

今回彼らの招聘はもちろん我らがウドー音楽事務所ですが、サイトとか見てると本当に若いバンドとのコネクションなくて、あと10年も経ったら本当に死にそうな感じなんですけど大丈夫なのでしょうか。
インディーズバンドの場合、そこらへんの日本配給を手広く押さえているホステスとかビートニクはレーベル業だけでなく興行も中で回しちゃいますし、ウドーが持ってるアーティストは既にメジャーをドロップアウトしている方々が大半なので、レーベル繋がりで新たなコネクションを築いていくことも難しく、正味いろいろ想像してみても明るい展望が見えません。

エイベックスはいち早く興行ビジネスに狙いを定めて大規模ライブ等を主催して稼ぐビジネスモデルを立ち上げたはいいものの、新たなスターを全くもって育成できないまま浜崎やら倖田やらELTやらのファン層は年を追うにつれてシュリンクし、大規模フェスのトリを担うレベルの人がどんどんいなくなり、その結果興行の手腕は年々上がってもその興行に乗れるだけの自社アーティストが枯渇気味、立派な担ぎ手はいてもお神輿がない、ガワは完成していても中に入れるものがないという状況のまま、興行部門の利益も伸び悩んでいるわけですが、ウドーは何だかそれの世界規模親玉レベルの存在のような感じになってまいりました。

起死回生の手段としては、もう一度フェスをやるよって言うと、怖い物見たさの俺とかが群がります。