第67回紅白歌合戦を見返したこと

紅白歌合戦の件。
相当あれこれ言われていますが、私が今回強く思ったのは「遂に本格的に『番組の格式』を捨てにかかったんだな」という点。

今回は本進行以外にゴジラとタモリ&マツコがあり、結果として三重の流れがあったわけですが、その絡ませ方は完全にバラエティのそれでありまして。
本来ショーとして見せてはいけない舞台袖は愚か格納されていく水森かおりまで映してしまい、本来芸能人司会のサポートとして確実に締めなければいけないNHKの総合司会が率先してふざけに行く。
タモリ&マツコの本編への交わり方は、紅白ではありえなかったラストも衝撃的でしたが、あの忘れた頃にちょいちょいカットインしてくるというやり方は、従来の紅白よりもむしろ日テレの裏番組のサンシャイン斎藤の方に近い。
シン・ゴジラの記者会見の時の手話のぶっこみ方も、NHKが自己パロディしているようにしか思えない仕上げっぷりでしたし。桐谷健太からAIの流れにはきっとauからお金が出ているし。たぶん。

大御所をバサバサ切っていったのもそうですが、ここまで「格式ある番組」という位置付け故に動けなかったところやれなかったことは山ほどあるわけで、今年はそこを全部取っ払ってとりあえずトライ&エラー上等の方針で臨んだ結果があれだったんじゃないかなと思うのです。
2015年までのようなスタイルでずるずる中途半端に行くよりはここで切ってしまってよかったと思うし、結局近々で一度は通らなければいけなかった道なのではないかと。実際問題としてエラー多すぎましたけど。
それでも、タモリ&マツコはサイドストーリーをもう少しだけでも作り込んで匂わせることができたら相当面白いことになったかもと思います。

結局、出演順以外で「格」を感じたのは、オープニングの時に司会の後ろ、カメラに入る位置に立っていたのが、紅組が石川さゆりと松田聖子、白組が五木ひろしと郷ひろみだったあたりくらいでしょうか。
大御所の切られっぷりと、今回お笑いの人からのいじられっぷりから次は五木ひろしが切られるかという声もいくつか聞きましたが、彼は毎年何かエクスキューズがない限りその年のリリース曲を歌っていて今回も新曲でしたし、そこらへん流行歌手であることの矜持だと思っているのですが、ただそれが今後NHK的には承諾できないということがあった場合、本人が紅白にこだわるのであれば、石川さゆりばりに毎年「長良川艶歌」か「契り」あたり、過去の有名曲の中でも「大きめの歌」を繰り返すことであと5-6年は行けるわけで。なので、リスクとしては坂本冬美の方が先だと思います。
ただ、流行歌手として生きていけないということであれば紅白には出ないという判断も本人にはあるかもしれませんし、正直わからないですが。

それよりも私が何よりも今回一番酷いと思ったのは、AKB48の紅白選抜で選ばれたものの、AKB48本体の出場時間が21時以降であるため、年齢の関係上参加できなくなったHKT田中・矢吹2名の扱いの最低さ。
そもそもそうなるなら選抜候補に入れるべきでないわけで、タイムテーブルの編成班と紅白選抜の企画班とのコミュニケーション不足のためにこうなったのであろうことは容易に予想が付くのですが、その救済として2名は天童よしみのバックでダンスすることになったものの、メインの踊り手さんとしてめちゃめちゃ華のある状態で本田望結ちゃんは既にいるわ、更に20名以上のバックダンサーが右へ左へ踊るわで、その既に決まっていた動線を邪魔しない場所に置かれて、最後にちょっとだけ前に出してもらうまではただ何となく扇子を振って体ゆすっているだけという有り様に。
というかそれも副音声で説明されて気が付けたことで、そもそも本音声ではロクに紹介すらされない。これ本当投票した人は暴動起こしていいレベルですよ。

で、副音声の方は相変わらず最初の方だけですが、本選には出場しないのにがっつり入っている西川貴教さんが最強。
以下、気になった掛け合いをざっくり書き起こして終了。

(Puffy登場時)
設楽「西川さん、Puffyどっちが好き?」
西川「言いづらい!」
日村「言えよ!」
西川「どっちかつったら吉村さんかなあ」
日村「俺亜美! 俺亜美!」
西川「おめえの趣味は知らねえよ!」

(E-girls熱唱中に)
日村「E-girlsの後ろにいる女の子誰?」
西川「ギリギリガールズ?」
設楽「ひとり霊感の強い子がいてね…」

(miwa熱唱中に)
設楽「西川さんここまでということで」
西川「まだまだいたい気持ちいっぱいなんですけど」
日村「もうお家帰んな…」
西川「帰ったって犬しかいねえんじゃ…」

(Sexy Zone熱唱中に)
設楽「(副音声サポートアナの)橋本さんて相葉くんの大ファンなんだって?」
橋本「ええ、心から応援をさせていただいております」
設楽「(日村に)相葉くん大好きなんだって」
橋本「ええ、心から応援をさせていただいております」
設楽「何かNHKのアナウンサーらしい対応だね」
橋本「ええ、NHKのアナウンサーですから。心から応援をさせていただいております」

(SEKAI NO OWARIのステージを観ながら)
設楽「素顔出してるの3人しかいない」

(三代目の光のダンサー演出を見て)
日村「何だこれ凄いぞ!ラスベガスがやって来ちゃったよ!」
橋本「渋谷じゃない!」
設楽「でもWelcome To Tokyoって言ってるんだよね」
日村「渋谷だね。東京だねこれ」

(郷ひろみと土屋太鳳が抱き合った時に)
設楽「あの間に入りたいね」

(水森かおりの背後の布が持ち上がった時)
設楽「何何何? 巨大スカートめくり?」
日村「向こう今パンツ」
設楽「見えちゃうよ」
橋本「見えない!見えない!」

(いきものがかり演奏終了のあたり)
橋本「今年は水野さん止められなかったらしいですね、そういえば。警備員に」
設楽「ああ、毎回止められるっていう」
日村「止めないでよ」
設楽「止められ顔ってあるからね」
日村「ああ、あるある実際」

(RADWIMPSの曲振りの時)
日村「俺RADWIMPSを『君の名は。』で知ったから」
設楽「俺もそうだよ。俺も日村さんの名前それまで知らなかったもん」
日村「俺のこと言ってたの? これまで二十何年、何だと思って俺横にいたの?」
設楽「カエルと…、あれ?入れ替わってる!?」
日村「♪前前前世から〜」

(RADWIMPS演奏中)
設楽「新海監督の映像どこで来るんだろう」
設楽「新海監督の自撮りとか映ったら。『どうも、新海でーす』とか」
日村「いや、結婚式じゃないんだから」
設楽「紅白出場おめでとうございまーす」

(RADIO FISHのあっちゃんの登場を見て)
日村「不良の成人式みてえだな」

(AKBの前説の時)
設楽「野呂佳代入ってんのかなあ」
日村「野呂佳代は入ってないんだよ」
橋本「ちょっと確認していただいて」
日村「確認しなくていいよ」

(大竹しのぶの歌前のVTRの時)
設楽「すごい人数の人が今一斉に何か、紙吹雪とかがあったらモップ隊がね、暗い中懐中電灯でやったりね」
橋本「モップ隊だけで10人くらいいますよね」
設楽「そういえば昔HAPPA隊ってあったけどね」

(東京五輪三宅選手のオムレツの映像中)
設楽「腹減ったなあ」
橋本「もう10時半すぎてますもん」
設楽「(オムレツ映像)うわあ、うまそうだなあ」
日村「うまそう」
設楽「今何食べたい?」
日村「俺今…チャーハン」
設楽「オムレツだろ!」
設楽「何であれ見て」
橋本「今ちょっとびっくりしました」

(副音声に星野源が来た時)
設楽「ヒゲダンスがよくてさー」