第67回紅白歌合戦の出場者傾向のこと

で、紅白出場歌手の話。
KinKi Kidsはジャニーズ既存6枠からSMAP分が減ったので補充ということで妥当。
問題は藤あや子が外れたことで紅組からバーニング枠が消滅し、残るは郷ひろみという正味心許ないところのみになったという点。まあ、藤あや子の心許なさは売上としてもプレゼンスとしても彼を圧倒的に上回っておりましたので、これも妥当としか言いようがないのですが。

AKB48の紅白選抜っていうのは、企画としては元々の総選挙からを肯定的に捉えているファン層にしか届かないし、当然残酷とも屁とも思わないので、番組の演出というよりは、欅坂をぶち込むべくAKBグループの枠をひとつにまで絞る必要があるので、各地の全グループからの選抜という形式にしてできるだけファンから文句が出ないようにしてみた、というだけのことではないかと思います。

で、紅白になれば主に演歌枠を見ていきたい気持ち。まずは例年通り全出場内の演歌の数を。

2003[紅:11/31 白:10/31]
2004[紅:10/30 白:09/28]
2005[紅:09/31 白:10/31]
2006[紅:11/27 白:09/27]
2007[紅:10/31 白:08/27]
2008[紅:09/26 白:08/27]
2009[紅:08/25 白:08/25]
2010[紅:08/22 白:05/22]
2011[紅:08/25 白:06/25]
2012[紅:07/25 白:05/25]
2013[紅:07/25 白:06/26]
2014[紅:07/27 白:05/24]
2015[紅:07/26 白:06/26]
2016[紅:07/23 白:05/23]

紅組は伍代夏子・藤あや子OUTの市川由紀乃・香西かおりINで総数STAY。白組は細川たかし・森進一OUTの福田こうへいINで総数1減。

白組は遂に所謂ベテラン男性は五木ひろしのみに。とはいえ五木ひろしは今でも新曲を出せばきちんとベスト20内くらいまでは順位を上げ、しかもその後余裕で半年ランク圏内に残り続けるみたいな売れ方をしていますので、細川たかしがいなくなった分福田こうへいが帰ってきたことで、正味だいたい売上上位が出場という形になっているはず。
去った組もサブちゃんはお馬さんが絶好調なのでもう問題ないかと思うのですが、森さんは多少心配です。
紅組は石川さゆり・坂本冬美・天童よしみは残りますが、今も坂本冬美・天童よしみは万単位では売りますし、石川さゆりはそこまでは行かなくてもやっぱ他がどしどし抜けている中で彼女もというのは厳しいと思うし。

以下、各者の今年のシングルの売上を比較。複数出してる方は枚数多い方。

<紅>
水森かおり 6.9万枚
市川由紀乃 4.4万枚
天童よしみ 3.4万枚
香西かおり 1.9万枚
坂本冬美  1.6万枚
島津亜矢  1.4万枚
石川さゆり 0.4万枚

<白>
氷川きよし 13.7万枚
山内惠介  7.8万枚
三山ひろし 6.6万枚
福田こうへい 4.8万枚
五木ひろし 2.6万枚

正味、その年に新曲をリリースしてもほとんど何のプロモーションもなされず売上1,000枚以下、みたいなベテランがちょいちょいいた一昔前よりは、見た目としては非常に真っ当になった感。

ちなみに男性のアイドル的な人気の3人はどういう層がどういう応援の仕方をしているのかを熟知しているので、リリース形態もそれなりにすごいです。
氷川きよしの今年のシングルは、カップリング違いで同一タイトルを2月に3種・9月に3種と2度にタイミングを分けて計6種リリース。
三山ひろしも同様の形で、2月に2種・5月に1種・9月に1種と3度に分けて計4種。
山内惠介も、3月に2種・9月に3種との2度に分けて5種。

シングルを売るためにはもうジャンルを構わず必死であるわけです。というか、演歌は今も翌年以降の活躍のためには紅白出場が非常に重要であり、その選考には売上枚数もそれなりの指標になるわけで、もしかしたらアイドル系よりもガチかもしれません。