ジャニーズ対「非ジャニーズ」のこと

2016年7月4日付のオリコンシングルチャート。ちょっと前になりますが。

THE IDOLM@STER絡みの楽曲が初めて1位になったのですが、大事なのはそこじゃない。その下2つ。
きちんと調べたわけではないですが、多分史上初めて「非ジャニーズの日本人男性アイドルグループ」がジャニーズに勝ちました。何か無茶な手を使ったわけでもなく、双方初回限定通常合わせて3種リリースで条件は同じでこの結果。
A.B.C-Zは現在デビューしているジャニーズグループの中では正直なところファン層最弱クラスですし、そもそも最初は「DVDのみでリリース」という形態でもってデビューしたグループです。それでも最近はメンバーの塚田くんのバラエティー的キャラのおかげでメディア露出も増えているのですが、勝てなかった。

とりあえず現在現役のジャニーズ所属グループの直近のシングルの累計売上。

嵐:816,000
Hey!Say!JUMP:294,000
Kis-My-Ft2:238,000
KAT-TUN:215,000
SMAP:178,000
KinKi Kids:174,000
関ジャニ∞:166,000
NEWS:164,000
ジャニーズWEST:129,000
V6:126,000
Sexy Zone:106,000
A.B.C-Z:35,000
タッキー&翼:27,000
TOKIO:24,000

いや、それでも並べるとこれだけ売ってるのかすげえなあと素直に思うのですが、ここ5年でデビューした若い方のグループを考えた場合、Kis-My-Ft2が最高で、それ以降のSexy Zone、A.B.C-Z、ジャニーズWESTはこんな感じ。先輩諸氏は過去にどっかんどっかん売ってからの落ち着いてこれなのに比べると、正直ちょっと厳しい。

ジャニーズはここまで雑誌新聞テレビの既存メディアを完全に掌握する形で今の地位を築いたわけで、ご存知の通りネットについては「確実に単体でマネタイズできる」とお年寄りの幹部でも理解できる範囲を除いては極めて懐疑的。

しかし、女子アイドルでもAKBグループが既存メディアを掌握しているのは同じですが、実際にはほぼメディアを頼らず現場とネットを駆使してそれなりの規模まで持ってきているアイドルグループが山ほどいる中、男子は一切そういう動きを行わないというはずもなく、女子の動きをキャッチアップする形でここ数年どんどん「非ジャニーズ」の男子アイドルグループが出てきて、今回こういう形ではありますが局地的には逆転するところまで持ってきている。

既存メディアにあまり触れない若い子たちも増えている中、そういう子たちはボカロPや歌い手さん、YouTuberと同じような流れでもって「かっこいい男の子」を見つけて応援する、みたいなのが自然になってきた今、正直今後も相対的なところではどんどんジャニーズの地位は下がっていく絵しか想像できないのですが、一度本気で既存メディア総動員して新しいグループのデビューをぶち上げてほしいと思っています。正直ジャニーズならまだそれ行けると思います。欅坂46のあのデビューが女子アイドルオタの多くにそれなりに激震として届いたように。

ただ、ぶち上げ直後はうまくいってもそれをどう維持していくかというところで、今後ジャニーズが新たなファン層を獲得するのか、終わりの始まりになるのか、見えてくるんじゃないかと思います。その分水嶺を見たいから、是非ぶち上げてほしいと切に願います。


明日からちょっと早めの夏季休暇です。九州とか行ってきます。