下北沢サウンド・クルージング2018のこと

26日土曜はサウンド・クルージング@下北沢。
毎年行きたいとは思いつつ、いろいろあって今回ようやく初参加。ショーケースとして実に使い勝手がよい素敵イベントでした。

代代代
ようやく初見。錬度はイマイチですがそれでも勢いは必要以上に感じさせるナイス・パフォーマンス。
4-5曲やってMCの時にちらと時計見たらまだ10分しかたってなくて、彼女たちのプロデューサーがこの前に手掛けていた「細胞彼女」というプロジェクトが「アイドル界のナパーム・デス」と呼ばれていたことを思い出しました。

BAND PASSPO☆
9月で解散を発表したわけで、とすれば夏に向けてアイドルフェスで本体は見ることはできてもバンドスタイルはこれを逃すともう観られないのではないかと思って。
アイドルの片手間とは言えないレベルのきっちりとした演奏。ただ、このレベルでこういうことができているという事実こそが彼女たちの悲哀でもあるわけで。
オリコンで1位を取り最大でNHKホールでのワンマンまで行っている彼女たちが、何故バンドでサーキットイベントに参加してシェルターでやっているのか。いろいろ考えてしまいます。

ふゆのどうぶつえん
初見。音源はとにかく最高なのですが、ライブは正直微妙でした。正味エアバンドという体で活動しているため所謂「振り付け」的なものまでおよそ切り捨てているわけで、それでいて他をなぎ倒すレベルで可愛いわけでも歌がうまいわけでもトークがものすごいわけでもなく。
何かができているわけでもないので、この先の伸びしろもまったくわからないという状況。どこか「これぞ」というものを見せてほしい。

SOLA SOUND
初見。音源聴いて、音楽ジャンルとしての「EMO」の線を狙っている感がバリバリにしたのですが、パフォーマンスもきちんとその感じに寄せてきていて好感度高い。「エモい」ではなく「EMOい」と表記したい。

集団行動
ここからはバンド中心に。相対性理論の初期メインコンポーザーだった真部氏のバンド。悪くはないのですが、何せ音源の時点でおよそ完璧に仕上げられていますので、それをライブで再現されてもそれ以上の感動はない感じで。
ただ、ヴォーカルの齋藤さんが生で観ると写真以上の腰が抜けるレベルで美人だったので、やっぱり生で観てよかったと思いました。

ネクライトーキー
本日のハイライト。木曜くらいにサウンドクルージングのタイムテーブル見ながら、聴いたことのないバンドを適当にYouTubeで聴いていたのですが、このバンドの「オシャレ大作戦」のMV見たところでその流れはこのバンドの他の楽曲を聴く大会に変更され、本当はGARDENでCinema Stuff観るはずだった時間帯もこのバンドに献上。
結果。すごいバンドです。恐ろしいほどキャッチー、演奏力平均以上、各メンバーのキャラも立っていて、かつライブを通じてのグルーヴ感と言いますか、生でないと出ないええ感じも十二分。音源では概ね全編緩いテンポの「許せ!服部」が途中からハードなエッジ感でリアレンジされているのを聴いた時には鳥肌が立った。
何かいろいろすごいバンド。
PA席近くでちょいちょい指示出す人がいたので、恐らくもう大人に見つかっているのでしょうけど、自分がもしA&Rだったとしても、絶対放っておかないと断言できるレベルなので、さもありなん。
まだ一般流通盤も出していないレベルですが、恐らくメジャーまでは行くと思います。

おとといフライデー
成人男子のたしなみとして観に行きました。たしなみたい方々で開演10分前には入場規制かかるレベルで、ステージもよく見えませんでしたが「今日おとフラ初めてって人ー! おとフラの筆下ろしですね!」「ティッシュありますか。健全な用途で使います」等々、鉄板なトークを挟みつつも本当に普通にかわいいので和む和む。
ただ、そんな彼女たちを見ながら、「テクノ」という言葉が80年代までと90年代以降では指す音楽の意味が相当に変わっているように、「アイドル」という言葉が指すものも20世紀と21世紀では実はだいぶ違っていて、彼女たちこそが20世紀的な意味での「アイドル」を一番正しく守っている21世紀のグループなのではないかと思いました。

Lucie, too
UKギターポップを恐ろしく正しく継承している女子3ピース。ライブ観ながら気付いたのは、彼女たちの特異性。
男子がバンド組む場合、だいたい形から入ります。好きなジャンルのコピーから始めて、そこにオリジナリティ乗っけながら有名になっていく。が、女子バンドの場合、少なくともある程度以上まで出てくるバンドってあんまりそういう「形」ってないんですよ。もっとプリミティブな衝動や表現欲が先に来る場合が多いのか、それともそういうバンドがいても、男子ほどオタク的に突き詰めないからある程度以上にまでならないのか。
とにかく彼女たちのような音を出して、海外でライブできるレベルにまでなっている女の子バンドって他に知らない。一生懸命考えて出てきたのはZELDAでした。
とはいえ「オタサーの姫」と揶揄するにはあまりにも音のセンスはいいし、普通以上に可愛いので何も言えない。


戸川純 with Vampillia
何年ぶりだろう。たぶん前に観てから10年以上たっている。もう足腰も弱って立って歌い続けることもできず、歌詞譜面も常備され、もう声の表現力も以前と比べれば見る影もない。
それでも時折手すりにつかまりながら立ち上がりシャウトする、その瞬間ぞくっとする感じはまだあって。少なくとも彼女はこうやって老いていく姿を晒しながら、それでも歌い続けるという覚悟はあるわけで、もうそれだけで途方もないリスペクトを。

で、本日はamiinAの初ワンマン観てきまして、これはこれで凄まじいライブだったのですが、それは追って。