謹慎になった人たちの音源のこと

あんまり体調良くないので、さっきまで寝ていてまた寝るんですが、とりあえずApple Musicだけ確認しておきました。

くず
紫SHIKIBU
ザ!!トラベラーズplus
ロンドンブーツ1号2号
田村亮
Re:Japan
ビッグポルノ
ムーディ勝山
2700

とりあえず今のところは全部聴けます。瀧の時にソニーがスピーディーに対応したところ、まさかのそっちの方からの反対が多かったことを受け、一旦はよしもとミュージック様子見といったところでしょうか。心証はめちゃくちゃ悪いですが、一応相手は指定暴力団ではないので刑法にかかるものではないですし。
ロンブーの「岬」は常に聴けるようにしておいてほしい。「ムーディ勝山はどうでもいいな」とか一瞬は思ったんですけど、駄目だ。そういう小さい積み重ねで道は少しずつ悪い方に行ってしまうから。

レイザーラモンHGも「Y.M.C.A.」というか「YOUNG MAN」のカバーをCDで出しているんですけど、これはApple Music乗ってない。印税と使用料のバランス等の権利的なものか、HGキャラでこの曲をガチで歌っているのが後世に残ることで、その後にカバーしたGENERATIONSとかに影響が及びかねないからか。

あゆみくりかまきも災難被るのかなあ難儀だなあ、と少しだけ思ったのですが、「ゴマスリッパー」の歌詞はくまだまさしじゃなくてたむらけんじでした。

ザ・コインロッカーズの売り方のこと

秋元康氏が手掛けるガールズ・バンド・プロジェクトの「ザ・コインロッカーズ」が6月19日にデビューシングルをリリースしたわけですが。
正直、このプロジェクトは秋元康氏にとっての「実験」だと思っていたんですよ。さすがに今の世の中の流れでこれ以上「CDを積む」ことを前提にしたビジネスを継続していくのは難しく、そういう状況下で次にどこに進むべきか、そこを探るためのひとつの打ち手。

実際蓋を開けてみたら、確かに握手券は付いてないし、デビューと同時にストリーミングに曲は公開されているし(これはAKB坂道も最近は速攻で出ていますが)、今のところは無理くり既存メディアの番組の枠に入り込む形での出演もない。
楽曲は「ロックバンドだぜ」的な感じではないところにむしろ好感を持っているのですが、でも作曲家はタイトル曲はAKBの「Teacher Teacher」共作曲の人、カップリングも乃木坂46だったり日向坂46の曲を書いている人。要するにいつもと同じところに曲依頼を放り込んでコンペ中心で決めていく、AKB以降と全く変わらないやり方。
ドラマ主題歌のタイアップ付けるし、CDはカップリング違いの3種リリースだし、深夜帯にテレビの冠番組を始めるし、AKBや坂道みたいに組織的なものではないけど渋谷で購入者対象のハイタッチ会やってるし。

もう少しドラスティックに舵を切ってくると思っていただけに若干「あれ?」感はあるのですが、これまでがあまりにも「成功」の定型として盤石すぎたので、これくらいずらすだけでも大変なことというのもわからなくもない。
これから活動を続けていく中で異様なカリスマ性を発揮するのとか、めきめき上手くなって馬鹿テクになるのとか、オーディションの時と違う謎の楽器を操り出すのとか、あからさまに頭おかしいのとか、そういう図抜けたのが出てくると途端に面白くなってくるスタイルだとも思うので、もう少し観察していきます。

メンバー見てみると、だいたい可愛いんだけど、完全にキまった目をしてるのとか、リスカの跡あるやろみたいのがいい感じに混じっていて、とりあえずそういうのでミュージック・ステーション出てみるのもありかもしれません。いろんな意味で。

オリコンとビルボードの上半期チャートのこと

オリコンの上半期チャートが出たのですが、合算チャート等も入ってきて、オリコンでは都合4つのシングルチャートが並列している状態。
そこで、ビルボードの上半期チャートも含めて並べてみました。

■オリコン(CDシングル)

01 AKB48 ジワるDAYS
02 乃木坂46 Sing Out!
03 欅坂46 黒い羊
04 日向坂46 キュン
05 King & Prince 君を待ってる
06 SKE48 Stand by you
07 NMB48 床の間正座娘
08 Kis-My-Ft2 君を大好きだ
09 STU48 風を待つ
10 SEVENTEEN Happy Ending

■オリコン(合算シングル)

01 AKB48 ジワるDAYS
02 乃木坂46 Sing Out!
03 欅坂46 黒い羊
04 日向坂46 キュン
05 米津玄師 Lemon
06 King & Prince 君を待ってる
07 SKE48 Stand by you
08 あいみょん マリーゴールド
09 NMB48 床の間正座娘
10 Kis-My-Ft2 君を大好きだ

■オリコン(デジタルシングル)

01 米津玄師 Lemon
02 back number HAPPY BIRTHDAY
03 あいみょん マリーゴールド
04 米津玄師 Flamingo
05 菅田将暉 まちがいさがし
06 Foorin パプリカ
07 King Gnu 白日
08 back number オールドファッション
09 Uru プロローグ
10 MISIA アイノカタチ

■オリコン(ストリーミング)

01 あいみょん マリーゴールド
02 あいみょん 今夜このまま
03 あいみょん 君はロックを聴かない
04 King Gnu 白日
05 あいみょん 愛を伝えたいだとか
06 ONE OK ROCK Stand Out Fit In
07 エド・シーラン Shape of You
08 ONE OK ROCK Wasted Nights
09 あいみょん 貴方解剖純愛歌~死ね~
10 あいみょん ハルノヒ

■ビルボード

01 米津玄師 Lemon
02 あいみょん マリーゴールド
03 DA PUMP U.S.A.
04 あいみょん 今夜このまま
05 米津玄師 Flamingo
06 欅坂46 黒い羊
07 back number HAPPY BIRTHDAY
08 日向坂46 キュン
09 乃木坂46 帰り道は遠回りしたくなる
10 あいみょん 君はロックを聴かない

もういろいろ社会が分断化されてしまって「国民的ヒット」など存在しない世の中ですが、それでもこうやって並べると、いかにCDシングルチャートが世間のマジョリティとかけ離れてしまっているか、ということがよくわかります。
前々から申していますように、今やCDシングルチャートは、もはや少数派となった「CDシングルをたくさん売りたいと思っているミュージシャン」のための限定的なチャートにすぎませんので、もうあんまり気にしなくていい。

合算は合算言うてもCDの割合が大きめですので、あんまり変わらない。デジタルシングルチャートは単曲ダウンロード数のカウントなのでどうしても「若者向けだけどストリーミング解禁してない」ところに偏り気味。ストリーミングは今一番リアルなチャートだとは思うのですが、ひとりでたくさん聴いてもカウントは上がりますので、正直CD複数枚買いと近似値的なところは出てきますし、半年で丸めるとこんな感じになってしまう。
やっぱ正直なところ、ビルボードが一番バランスいいような気がする。

今後なのですが、LDH系や乃木坂46も既にサブスクのストリーミング・サービスを解禁してはいるものの、新曲出たからといってそっちの1位になることもなく、やはり広くバズってるところが上に来ることは間違いなく、しかしどうやってバズらせるかについては、King Gnuの「白日」がドラマ主題歌という既存のメディアを用いて上に来た一方、あいみょんはある程度認知が上がってからリリースした「今夜このまま」「ハルノヒ」以外はノンタイアップであり、純粋にリスナーの支持を少しずつ積み上げた結果のこれだったりとか、正直こうやれば行ける的なテンプレートはまだ世の中にない状態と考えていいでしょう。
でも、CD全盛期のエイベックスみたいに、とりあえずタイアップ付けてばかすか露出すればある程度には売れていた頃よりは、今ずっと健全じゃないかとも思うわけで。

そしてこちらも何度も言いますが、CDプレーヤーは持っていなくても1か月に約1,000円出して音楽を聴こうという若者はもうそれは今では間違いなく「音楽好き」であり、ストリーミングに音源を解禁しないのであれば、そのミュージシャンはそんな若者にとっては「この世に存在していない」のと同じです。
既存のファンと心中するつもりなのであればもう何も言うことはないのですが、たとえば旧曲を敢えてタイアップに持ち込んでうまくバズらせれば、CDではあんまり動かなかった過去曲でそれなりのアガリを得られるとか、いろいろやれることはあると思うんですよ。

絶対そういうプロモーションでいろいろ新旧がトライしている世の中の方が面白いと思うのですけど、それでも解禁しないのか。頼むよ。

ミス慶應コンテストの続報のこと

先月、ミス慶應コンテストが2つ立ち上がって面倒臭いことになっている旨をお伝えしましたが、今どうなってるか改めて見てみました。

元々の話を改めてしますと、中野美奈子とか青木裕子とか竹内由恵とか女子アナを多数輩出してきたミス慶應コンテスト、それを開催してきた団体が不祥事で2016年のコンテストを中止する形で活動を停止し、それを勝手に引き継ぐ形で昨年2018年から改めて別団体がミス慶應コンテストを再開したのですが、段取り等いろいろ悪くてあんまり褒められない状況で。
それでも今年もその団体が開催しようとしたところ、全くの別団体がこちらも「ミス慶應」を掲げてコンテストを立ち上げ、結果として現在2つの「ミス慶應コンテスト」が並列して存在している状態、ということです。

前回の記事に対して「大学は何をしてるんだ」みたいなコメントがいくつか付いたのですが、お前ら落ち着け。私も関係者も誰も「慶應義塾」とは言ってない。これは特定の大学の文化祭とかのミスコンではありません。もしかしたらファイナリストは全員特定の大学の学生かもしれませんが、「ミス慶應コンテスト」と言うだけであれば「ミス平成」「ミス令和」と同じであり、元号そのものに特定の商標が登録できるはずもなく、というか実際過去からのミス慶應コンテストもそういう「体」の、大学とは全く関係ない非公式のコンテストです。

というわけで、現状のTwitterのフォロワー数確認。

■前からある方
事務局公式Twitter:3,015
1.堀部佳那美:2,692
2.村中暖奈:4,800
3.増田美咲:2,860
4.佐藤冴夏:3,186
5.浦田直佳:924(元々のアカウントは現在も凍結中)
6.岩井彩花:2,086
7.田代麻純:2,175

■今年からの方
事務局公式Twitter:3,505
1.新野七瀬:4,174
2.森千晴:6,590
3.山中陽菜:5,698
4.宮崎玲奈:4,428
5.濱松明日香:53,000
6.里中真菜:3,707

途中で結構な割合でアカウントが凍結されるという事件も起こり、1人は未だに凍結が解けず別IDにした結果、他に比べると少なくなったりの不幸もあったのですが、今年からの方の濱松さんが一人異常値を叩き出していて、一体これ何なんでしょうか。
いや、美人さんであることはわかるんですけど、おっさんだから若い女の子はだいたい可愛く見えるので、この差になる理由がさっぱりわかりません。
ファイナリストからグランプリを決める際、どういう手段を使うのか知りませんが、これこのままだったら少なくとも今年からの方は圧倒的じゃないか。と思ったもののTwitterのフォロワー数はまあいろいろありますので、わかんないか。

前回のエントリーを書いている時「せっかくだからふたつのコンテストを戦わせて統一王者を決定しよう」ということは思ったものの、ネタとしていまいちだと思って書かなかったのですが、その後小倉智昭氏が「とくダネ!」で全くそれと同じことを仰っていたので、本当に書かなくてよかったと胸をなでおろしました。

「リリース日」とMVの公開のこと

YouTube Musicがサービスインした際に書いた文章があります。

YouTubeが始めた新しいサービスのこと

配信やストリーミングが主流化することで「アルバム」とか「カップリング曲」という概念がどんどん希薄化している中、ここに来て「リリース日」の概念が揺らいでいるという状況なわけですが。
YouTube Musicがリリースされた時、迷いを見せていたsumikaですが、今回は新作リリース日にMVも公開する形にしてきました。あそこで悩んだ結果としては非常に正しいと思われる方針になったわけですが、ここでふと「そもそも」の部分を考えてみる。

何でMVをリリース日より前に公開することが通例になっていたの?

80-90年代の欧米によくあった「アルバムに先駆けて先行シングルをリリースする」というパターンでのシングルの存在は、現在ではMVに置き換わっています。
アルバム型のミュージシャンの場合、リリース予定のアルバムから先行して収録曲のMVを公開し、アルバムのプロモーションとして機能させています。アルバムリリース後にまた別の楽曲のMVを公開することも多いですが、これは要するに当時の「シングルカット」と同じ考え方ですし。

一方日本のシングルは「アルバムからのカット」というよりは、シングルはシングルとして出して、追ってリリースするアルバムにそれを収録するというパターン多めです。主従が逆なので、じゃあその場合のシングル楽曲のMVの役割って何なのと考えたら、「初週の売上の最大化」じゃないのかと思うわけです。
MVでできるだけ世間の話題にしてもらって、それでもってシングルの存在やそのリリース日を認知してもらい、その週にさっくり店舗でCD買っていただいてオリコン上位、みたいな。

だとすれば、もう先行公開なんぞいらないんじゃねえの、という話です。

オリコンの順位を気にしているミュージシャンももう多くなく、アイドルですらCDを積もうとしているのは秋元康界隈と他一部のみになっています。チャート情報としてビルボードの方を取り上げる既存メディアもちょいちょい出てくるようになり、そうなるとYouTubeの再生回数も順位に反映されますので、先行でMV公開する順位的にはむしろ不利。
売上としてもCDだったら初週の順位が重要ですが、今はむしろどれだけ長く多く聴いてもらえるかがキモなので、初週を気にしたプロモーションとは全く違う形になります。
sumikaの今回の判断はそういう意味でもとても正しいと思うのです。

ただ、既にそっちにアジャストしているミュージシャンは、ばんばん配信で楽曲リリースしてMVも出して、それらが溜まったあたりでまとめて未発表曲ちょっと入れてアルバムとしてリリースという、50-60年代前半までのジュークボックス時代の「アルバム」の概念にどんどん遡っているのが、状況としてはおもしろい。
おもしろいんですけど、アルバム単位で聴くのがすごく普通というか、アルバム単位で好き嫌いを言うのが普通だったおっさんにとってはどんどん生きにくい世の中になっている。頑張れおっさん。

大都市圏のTSUTAYAの動向のこと

毎度、TSUTAYAの話ですが。
1-3月は怒涛の閉店攻勢でしたが、4月以降はそれほどでもなくなってきまして、ただ大都市圏の店舗に何となく共通の動きが出てきているような感じで。
大都市圏から「レンタル」のお店があからさまに減っているのです。

大阪市。
2016/10/01:TSUTAYA BOOKSTORE 梅田MeRISE オープン(レンタルなし)
2018/05/06:TSUTAYA 梅田堂山店 閉店
2019/05/06:TSUTAYA EBISUBASHI レンタル終了

キタ、ミナミの2地域でレンタルできる大型店舗が消えたりレンタルをやめたりして、現在大阪の中心商業地域でレンタルを継続しているのは阿倍野店のみになりました。


東京・新宿。
2014年以降:新宿TSUTAYAが工事のため一部営業休止の開始
2017/02/02:新宿TSUTAYA歌舞伎町DVDレンタル館 オープン
2017/12/06:新宿TSUTAYAをTSUTAYA BOOK APARTMENTとしてリニューアル(レンタルなし)

店の数は減りませんが、DVDレンタルは歌舞伎町に移転し、CDレンタルは消滅。JR駅にほど近い新宿TSUTAYAはコワーキングスペースを中心にした新業態の店舗になりました。


東京・池袋。
2019/06/30:TSUTAYA 東池袋店 閉店予定

池袋は東武ブックスがTSUTAYA BOOKSTOREになったり、旭屋書店がCCC傘下に入ったりして、無闇にTSUTAYA系の書店が増えていますが、サンシャインシティ脇の東池袋店が閉店決定したことで、池袋地域のレンタル店舗は西口のロサ会館内の店のみになります。


東京・上野。
2019/05/06:蔦屋書店 上野店 閉店

上野はレンタルも取り扱っていた蔦屋書店が閉店したことで、地域にレンタル店が消滅しました。ちなみにこれで新譜が買える店舗も上野から消えました(演歌専門店「リズム」を除く)。


東京圏の他の地域では、2015年に「蔦屋家電」ができた二子玉川では、元々西口でレンタル業を行っていたTSUTAYAがこの7月に閉店が決定。また埼玉県の浦和では2015年駅構内に「浦和 蔦屋書店」がオープンしましたが、こちらもこの7月元々商店街にあったレンタルのTSUTAYA 浦和店の閉店が決定しています。
そんな感じで、蔦屋書店や別業態ができる分、従来のレンタルメインのYSUTAYAが追いやられる動きが、都市部のあちこちで発生しているということです。


小田急商事がFCから撤退したことで小田急沿線のTSUTAYAが一気になくなった件、埼玉県上尾市や大阪府豊中市のように、短期間で市内の店舗が一気になくなったり激減した件。
FCでも諸々動きはありますが、直営が多い大都市圏でこういう動きというのは、そしてそのような店舗というのは場所柄顧客数の絶対数も多いわけで、そういう店を絞っていくというのは、何らかの意図は感じるわけで。

ただ、その意図はわかっても、図書館もスムーズな感じしはないし、Tカードは脱退する企業もあるし、めっさ狙っていた中国市場の先鞭として展開した台湾ではいまいちのようだし、これどうやってくんだろうと思ったりもします。
ひとつだけ言えるのは、こういう形で企業体として動くにあたって、非上場化はこれ圧倒的に正解だったんだなあ、ということ。こんなん上場企業では絶対無理やん。

ドレスコーズ@東京キネマ倶楽部のライブのこと

隔日ライブ週間、最後はドレスコーズ@東京キネマ倶楽部。
ドレスコーズはアルバム最新作が常に最高傑作と言っていい感じなのですが、音楽性もずいずい変化していき、つまりそうなるとライブも毎回違ってくるのでもう面白くてこれでワンマンは4回連続通算5回目。

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初めて観たのは2015年1月、アルバム「1」のツアー。メンバーが全員脱退してあからさまにバンドへの渇望の念を抱きながら作ったであろう曲もゴロゴロしているあのアルバムで、これ志磨くんはこれから一体どうなるのだろうという、正味毛皮のマリーズの解散ライブに赴いたのに近い気持ちで。結局不安は杞憂に終わったのですが、それ以降まさかドレスコーズがこんな方に転がっていくなんて思わなかった。

前作「平凡」には音源の時点でぶん殴られ、ライブにもぶん殴られる。三文オペラ後のライブではまるで演劇を観るようなライブで心動かされ、そして今回は本当に志磨遼平史上最高傑作と言っていいアルバム「ジャズ」を携えてのツアー初日。しかもコーストを埋められる動員力があるのに東京キネマ倶楽部。場所も最高です。バンドはG、B、Dr、Sax、Tromboneの5人編成。

初日なのでセットリスト細かく言いませんが、既発曲のアレンジも「ジャズ」の世界観に寄せた結果、完全に一連の作品として聴ける。ていうかこれめちゃくちゃ面白いわ。また、新しいバンドの新しいライブを観るような気持ちで。

そしてふと思ったのは、「平凡」から「ジャズ」は、随分作風が違って聞こえはしたけど、実はこれ相当に地続きじゃないのか、と。例えはものすごく悪いのだけど、前作が「Stop Making Sense」だとすれば今作は「Naked」のような位置なのではないかと。うん、よくない例えだけど、「音楽として繋がってる場所にある」ということを言いたいの。

もうひとつ、全ライブ一緒に行っている先輩が言ったのは「今回のライブが一番『素』だったよね」ということ。確かに、いろいろ背負っていた「1」の頃、キャラクターを完全に作りにいっていた「平凡」のツアー、完全に物語の主人公だった「三文オペラ」後のライブ。一番普通に「志磨遼平がライブやってた」感じがします。だから何かライブ中の景色が一番明るく抜けがよかったのだろうか。
そして「演じるものがなくなったからこそ、『ジャズ』のジャケットには顔がないのかな」と鶯谷「信濃路」で先輩。なるほど。

もう既にツアー前から次のレコーディングは始まっているようですが、完全に「どれだけ滅茶苦茶好きにやろうとファンが離れない」ポジションを得ていますので無敵です。今から楽しみです。

眉村ちあき@新木場STUDIO COASTのライブのこと

衝撃のLOFTから10か月。キャパはおよそ5倍。さすがに完売とまではいけませんでしたが十分に「入っている」感のある約2,000人。

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前回のワンマンはLOFTなのにレーザーとかLOFTなのに銀テープとか、そのキャパに合わないつんのめり気味の演出が非常に面白かったわけですが、今回もSTUDIO COASTレベルなのにワイヤーによる空中浮遊とか、子供ダンサーとの共演とか、相変わらずやりたいことをやりたいようにやっている感。

センターステージはあるのにそこへの花道はなく、どうやってたどり着くのかと思ったら案の定LOFTでもやったゴムボートでのクラウドサーフで到達。かなり何往復もしていたので、もはやクラウドサーフというよりは単なる渡し舟状態になっていました。眉村面白い。

いろんなメディアでけっこう顔は見るようになりましたが、LOFT直前の爆発寸前のミチミチした感じは既にあまりなく、彼女も既に「今後どうやって認知を増やしていくか」を真剣に考えていかなくてはいけないフェイズ。
このライブも相変わらず破天荒で天真爛漫な彼女の魅力は伝わってくるのだけど、でもLOFTで食らったあの迫力に満ちたそれに比べると、箱の大きさの分だけやや遠く感じる。ボートだったり徒歩だったりで会場中を回っていたのは、彼女なりにその部分を意識した結果なのかと考えてみたり。正直「これまでのやりかた」だとこれくらいのキャパが限界かもしれません。

ただ、その分箱が狭くても広くても変わらずに届く「歌」の力が、相対的に今回はものすごく響く。この日披露した曲の中で一番素晴らしかったのは、ギターの弾き語り+彼女の歌のみの「おじさん」だったと思うし、ラストの「だいじょうぶ」も、正直ギター1本で聴きたいと思った。彼女自身を遠く感じたとしても、彼女はただのおもしろタレントではなく、圧倒的な楽曲と圧倒的な歌声を持つシンガーなのですから、きちんとそれが届くライブであれば、それで十分素晴らしいライブは作れると思うのです。まあ、ただ歌うだけのライブで満足する女じゃないことはわかってるけど。

次回はリキッドと拡大方針はいったん小休止ですが、「こちとら売れたい」という彼女の意志は聴けましたし、ここで仕切り直してまたガツガツ行くことを期待して。

で、LOFTでは吉田豪氏が「風船を割る」だけのために登場しましたが、今回の「著名人の無駄遣い」枠は、別にコーラスもギターも弾かず2曲の間ただ空中に吊るされ、照らされていただけのスギムことクリトリック・リスでした。

スギム、最高。

Ri Ri Riligion@青山・月見ル君想フのライブのこと

21世紀初頭にデビューしたPolyphonic Spreeというバンドというか音楽集団がいたんですよ。
メンバーは不定で最大で30人近くにまで膨れ上がり、その人数でもって多幸感の塊のような曲をぶちかます、それはそれはいかした集団でした。

本当に、一度生で観たいと思っていたのだけど、日本でもApple絡みのCMは流れて日本盤CDも出はしたもののそれでさして人気が出るものでもなく、その人数でもって来日できるはずもなく、調べてみたら活動は今も継続しているのですが、3枚目のアルバムの後に5年空いていて、正味その間に悲しくも忘却しておりました。

そして先日5月16日、吉田豪氏が何のキャプションも入れずにぽいっとツイートしたRi Ri RiligionのYouTube映像を何となく見てみて、猛烈に心を射抜かれる。

唐突に、しかし必然的にPolyphonic Spreeを思い出し、そうだよ俺はあの時こういうライブを観たかったんだよ、と思い出す。速攻で検索し、直近のライブに予約をぶち込む。

それからメンバーを確認してみると、フロントは箱庭の室内楽での活動やゆるめるモ!等アイドルへの楽曲提供を行っているハシダカズマ氏、ギターは言わずと知れた後藤まりこさん、シンセは馬鹿テク大魔王にして矢野顕子楽曲のトラックメイクもしているAZUMA HITOMIさん、ドラムは先日のヌュアンスのワンマンでも叩いていたUさん。
俺的に言えばスーパーバンドの類でもありました。テンション上がる。そして6月2日、直近のライブの日。

まずゲストのDOTAMAさん。
5/29のハイパヨちゃんの時も観た。同一ミュージシャンの2DAYS・3DAYSに連勤した以外、違うイベントでこの近さで出会ったのは畑中葉子さん以来です。相変わらず誠実。DJが別の方だったので、MC等そこここのトーンがけっこう異なっているのが興味深かったです。

そしてRi Ri Riligion。この日は13人。ステージのセッティング終わった時点で少しずつ白装束が出てきて思い思いにチェックして、チェックし終わったらそのままステージの端っこに座ってスマホ見てるとか、ダンサーの人がその横でストレッチしてるとか、後藤まりこさんはギター抱えてただ寝転がっているとか、楽屋がいっぱいなためなんでしょうが始まる前からいちいち面白い。

そして最後にハシダカズマ氏が登場するとこの塩梅。

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もうこの絵面だけでとても面白い。
そして、がんがんアルコールを摂取しつつダラダラMCを続けるハシダ氏に業を煮やしおよそ強制的に曲を開始するメンバーというレキシっぽい展開があったり、グロッケンの子が曲の入り間違えたのをその場で厳しく指導する後藤まりこさんと、でもその後藤まりこさんは途中で「おしっこ行きたい」と言い出し本当に行っちゃうなど、およそ他ではなかなか見られない自由度でライブは進む。
正直もっとMCを詰めて流れを作れば音楽的な意味ではもっといいライブになるのではと思ったのですが、そういうバンドということならそれでもう全然いい。

というか、たとえばAZUMA HITOMIさんはアニソンでメジャーデビューしたり、矢野顕子と組んで楽曲制作したり、結構な美人さんだし、「売れよう」という明確な意志があればもう少し上に行けているはずの人。でも2枚目のソロアルバム以降よくわからないユニット組んでは小さなライブハウスで演奏し倒したり、手牌にドラは既に何枚か持っているにも関わらず、上がり役を組む気が全くない感じで。
後藤まりこさんのミドリ以降の活動とかもそうだし、要するにこの集団は総じて「売れたい」よりも「やりたい」が優先する人たちが集まったものと考えてよいのではないかと。

楽曲的にもコンセプト的にも見た目的にもものすごくメディアに乗せやすいスタイルだし、このままドカンと行ってもおかしくないレベルなのですが、だから多分そっちには行かないんじゃないかと思うのです。
そしてまた好きにやる。それ、また観に行かなくちゃダメなやつです。

スマホやPCに著作権料を課金させろとか言ってること

昔、ブログじゃなくて個人サイトだった頃には、CCCDとかのことで怒ってた時期もありましたが、最近は歳も取ったこともあって随分落ち着いて、ブログだけでなく普段の生活でもほぼ怒ることなく生活できています。本当です。

そんなところにやってきたこんな記事。

スマホやPC本体に「著作権料上乗せを」国際組織が決議

この決議の大元になっている「私的録音録画補償金制度」は、デジタル記録媒体が世に出るようになって1992年に定められたもので、要するに「デジタルになったら元音源と全く同じ音質でコピーできるんだから、コピーした分幾らか寄こせよ」という制度なわけですが、CD-Rなんか音楽ではない他のデータの記録にも普通に使うものであり、そんなん課金するの無茶だろうと思っていたら、本当に「音楽用CD-R」という名前のブツが普通のCD-Rよりちょっと高い値段で世に出てきて鼻で笑った記憶があります。聖人君子以外で誰が買うの状態です。

結局世の中的に、その制度の下でまともに機能していた媒体はDATテープとMD、DVD系の一部とBlu-ray系の盤だけじゃないかと思うのですが、確か2013年にも著作権団体の連合団体が「PCやレコーダーにも課金させろ」と言い出して、でもあっという間に一蹴されていました。
なのに今度は「世界」という看板で、現在主流になっているスマホも込みにして、一蹴されたそれをもう1回出してきたわけです。笑っちゃいますね。

普通に考えてみる。

まず、MDはほぼ間違いなく音楽をコピーするためのものですが、PCやスマホは必ずしも音楽のために買うものではないので、これで音楽聴かない人からまで課金するのは明らかに行き過ぎ。つまりCD-Rのように音楽用の料金を乗せたものとそうでない用をきちんと分けて用意していただいた後でなければ、この決議は世の中に通らない。
もちろん、CD-R等の媒体とは異なってソフトウェア的な制限でもってそれらをきちんと分けることはできると思いますので、そこ一生懸命頑張っていただいて。でも、たとえば自作楽曲の制作用にPC使う場合、楽曲は少なくともその段階では著作権団体の管理下には置かれていないので、それは課金されてないPCでも使えなくちゃいけません。
ということは、管理楽曲の録音データに何かIDを入れておいて、それをネット経由で団体のDBに照合しに行くような形であれば実現可能でしょう。死ぬほど使い勝手悪そうですが。

そして、PCやスマホの記憶媒体に課金するということであれば、世の中の全てのDRMは解除していただく必要があります。DRMはそもそも「コピーはしてはいけないことだから制限する」という体で導入されているものであり、今回PCやスマホからお金を取るということは「コピーが行えることが前提」の思想です。この双方は同時に両立しえません。さあ、すべての制限を外しましょう。話はそれからだ。

で、万が一これだけ全部やったとしても恐らく音楽の総売上は上がりません。
今回団体が望んでいる制度は「私的録音」への課金ですが、今の世の中「私的録音」して音楽を聴いている人間がどれだけいるんだという話。俺か。
もしPCに課金されるようなことがあれば、そんなPC買わんと音楽全部ストリーミングで聴くことにしますわ。サブスクリプションで支払っている月額の中に既に著作権料は入ってますので、そっちでよろしくという感じで。
そういう考えの方は少なくないと思いますので、他国と比較して恐ろしいくらいCD/DVD等のパッケージが生き残っているこの国ですが、この制度を正式導入すればパッケージはこれまで以上のスピードで衰退し、一番利益率の高い商品形態をすごい勢いで失うことになります。

本当に、CDが衰退し始めてからのJASRACとかRIAJの考えることは悉く「10年後の1000円をガン無視して渾身の力で目の前の10円を拾いにいく」感じで、経済的にも思想的にもわかりやすく先に窮していることがわかって楽しいのですが、今回のはちょっと笑えない。せめてもう少しおもしろくしてほしい。